江戸川区「あけぼの湯」(江戸川55)廃業に伴う終売のお知らせ
江戸川区の銭湯「あけぼの湯」(江戸川55)さんが2024年12月18日をもって閉業となりました。それに伴いまして東京銭湯コレクションカードは終売となります。大変申し訳ありませんが既に完売し在庫も無く、現在のところ再販の予定はございません。本件のお問い合わせに関しましては、お答え致しかねますので予めご了承ください。
「あけぼの湯」さんの創業は1773年(安永2年)、閉業の今日まで江戸時代から251年も続いた東京では一番歴史ある銭湯でした。19代目のご主人からお伺いしたお話とホームページ記載の内容をまとめさせて頂きました。
元は栃木県小山市にあった乙女村の河岸から江戸へ材木や食料などを運ぶ舟問屋「乙女屋」として慶長年間に創業。その傍ら現在の位置とは異なる場所で1773年(安永2年)に「乙女湯」を開業。1953年(昭和28年)に乙女湯は売却し現在の地に「あけぼの湯」を新設、1963年(昭和38年)には乙女湯も再建しました。その当時は開店時に「ほら貝」を鳴らしていたそうです。
さらに時を経て数回の建て替えを行い、現在の建物は1968年(昭和43年)に建てられたもの。当初は1階がスーパーマーケットで2階が銭湯という現在でも珍しい斬新な構造でした。また1985年頃には、やはり当時としては珍しい飲食の提供も開始、1990年代後半に1階部分を風呂に変更、2014年頃に2階の中普請を行ったそうです。
設計当時は様々な施設を巡り、特に二階構造に関しては大阪の銭湯も参考にしたそうです。露天風呂は設計会社に「通路が作れない」と言われ、ご主人は「別に裸で行き来するんだから湯船の中を通っても問題ないよね?」という事で、このような形になったとか。
その中でも壁面にある男湯のモザイクタイル絵は、旅行好きのご主人が好きだったギリシャ「ミコノス島」の景色を撮影した写真を元に制作、女湯は当時完成したばかりの「レインボーブリッジ」にしたそうです。ペンキ絵は故早川絵師によって描かれ、10年以上の時を経ても日焼けや劣化も極めて少ない状態、描いた当時の色使いが伺える貴重なペンキ絵といえます。
設備はサウナに水風呂、ジェットにバイブラ、露天風呂と多種多様。天然温泉に加え、名物の薬湯「牛乳風酵素風呂」は30年程前から京都の化粧品材料メーカーから取り寄せた入浴剤で、湯にもこだわった素晴らしい風呂でした。
長年のご苦労、本当にお疲れさまでした。
私は15年間で十数回ほどしか伺えませんでしたが、女将さんの丁寧な心遣い、ご主人の豪快な話は思い出です。銭湯コレクションカードも「あ!店の分も売っちゃったよ」というので予備を1枚プレゼントしましたした。これからは自分の為に風呂に入り、趣味のゴルフを存分に楽しんでください。
ありがとうございました。
※撮影は全て許可を得ております。また写真の無断転載はご遠慮ください。
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